えのキングの投資日記

日本株投資日誌

臨時増便

日曜の病院はあまりにヒマなので、ブログの臨時増便を書くことにしました。

4/5に第二のQDレーザーを連想させるIPO
オキサイド(6521)が上場します。

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フォーブス5月号

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半導体検査装置やがんの診断に使うPET装置にかかせない基板材料である「光学単結晶」で世界シェアNO1をつかんでいる技術ベンチャーです。
社長の吉川さんは、九州大学理工学研究所で助教授も務めた元研究者です。
日立金属やNIMS前身の科学技術庁無機材料研究所で光学単結晶の製品化の研究をしていたのですが、いっこうに製品化される気配がなかったため、国家公務員休職制度利用者第一号となり、起業した異色の経歴をもつすごい人です。
フォーブス5月号でSMALL GIANTS 2021でグランプリを受賞し、経済産業省「グローバルニッチトップ100選」にも選出されています。
大株主をみればわかりますが、NTTアドバンステクノロジー日立ハイテク米KLA-Tencorレーザーテックニコンなど、そうそうたるトップ企業と資本業務提携を結んでいることがわかります。
業績は売上も順調に伸びており、黒字が定着したタイミングでの上場です。
石井千鶴子元従業員とベンチャーキャピタル株主元出資者の谷家衛氏を除く売り出し後の大株主上位49名ほか個人47名には90日のロックアップがかかります。ただし、VCなど5名(計513000株)は公開価格の1.5倍の4200円以上なら解除されます。
初値予想は6000円~6540円。PERは91.4倍~99.7倍になりますが、赤字のQDレーザーがあれだけフィーバーしたわけですから、しばらくはバリュエーション無視の買いがはいると思います。

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さて、先週、IPOを目指していたキオクシアHDに対し、米マイクロンと米ウエスタンデジタルが300億ドル(約3兆3000億)で買収を検討しているというニュースが流れました。
その後の報道で、キオクシアHDは、今夏のIPOを目指す方向に変わりないとしていますが、このことを100%鵜呑みにすることはできないと思います。
キオクシアHDは昨秋、上場が承認され、時価総額1兆5093億~1兆8867億円でブックビルディングを実施しました。その後米中対立のあおりを受け中止になったわけですが、3.3兆円なら、一見破格にみえ、面倒なIPOを選ぶより有利な条件に見えます。
ただ、この手の記事で気を付けなくてはいけないのが、買収額に大抵債務がはいっているということです。
キオクシアHDの昨秋の債務は1兆2537億ですから、これを昨秋の想定価格3960円で計算すると、およそ、3.37兆円になり、米社の買収は昨春のIPOを目安に打診してきたということです。
キオクシアHDにとっては、昨秋とは環境が様変わりしており、そんな値段で売れるかというのが本音だと思います。
もともと、IPOが実現すれば韓SKハイニックスがファンドを通じて、15%弱の株式を手に入れる算段になっていました。
キオクシアHDにとって、IPOを実施するということは、韓SKハイニクスとの距離が縮まり、いわば日韓連合という体制を敷くことになります。
首位のサムスンに対抗する勢力として、キオクシアHDが日韓連合を選ぶのか、日米連合を選ぶのか、はたまた、一気に日米韓連合になるのか、いずれにしても、日の丸半導体最後の砦の行方は、近い将来大きく動くと思われます。

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上記は以前、このブログでも紹介したT&S(4055)ですが売上の柱はキオクシアHDの半導体工場の運用・保守になっています。
キオクシアHD買収のニュースが流れた日にはストップ高しました。
この会社は、東北大学と組んで、人の体温のような微電力でも動く次世代半導体の研究開発にも取り組んでいます。
こちらのほうは、実現はまだまだ先の話のようで、夢の部分かもしれませんが、私はこの会社の潜在能力を評価し、下がれば買い、下がれば買いを繰り返し、そこそこの株主になっています。
次の決算は4/14ですが、キオクシアHDの動向と共に注目していきたいと思います。